
60歳以上だと賃貸が借りられない噂は本当?データと実際の借り方を完全解説
60歳を超えると賃貸物件を借りにくくなるという話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際に、定年退職後に引っ越しを検討する際、年齢を理由に入居審査で断られるケースが存在します。
しかし、すべての60歳以上の方が賃貸を借りられないわけではありません。
貸主側の懸念事項を理解し、適切な対策を講じることで、60代以降でも賃貸を借りることは可能です。
本記事では、60歳以上だと賃貸物件を借りにくいと言われる具体的な理由を解説し、どのような点が審査のハードルとなるのかを明らかにします。
- 貸主は孤独死や健康面のリスクを懸念している
- 年金収入のみでは審査基準を満たしにくい
- 保証人の確保が難しく審査に影響する
- 適切な対策で契約成功の可能性は高まる
目次
60歳以上は賃貸が借りにくいと言われる理由

60歳以上の方が賃貸物件を探す際、年齢を理由に入居を断られるケースが少なくありません。これは貸主側に特有の懸念事項があるためです。
まず、貸主が最も心配するのは孤独死のリスクです。高齢者の一人暮らしでは、万が一室内で亡くなった場合、発見が遅れる可能性があります。このような事態が発生すると、物件の原状回復に多額の費用がかかるだけでなく、次の入居者募集にも影響が出るため、貸主は慎重になります。
次に、年金収入のみの場合、審査基準を満たしにくいという問題があります。一般的な賃貸審査では、家賃の3倍程度の月収が求められますが、年金受給額だけではこの基準に届かないケースが多く見られます。また、定年退職後は収入が安定しないと判断されることもあります。
さらに、保証人の確保が難しいという点も審査に影響します。高齢になると、保証人を依頼できる親族も高齢化しているか、すでに亡くなっているケースがあります。保証会社の利用も可能ですが、年齢や収入状況によっては保証会社の審査も通りにくくなることがあります。
貸主側の懸念を理解した上で、健康状態の証明や家族の協力体制を示すことで、審査通過の可能性を高めることができます。
これらの理由から、60歳以上の方は賃貸契約において不利な立場に置かれやすいのが現状です。しかし、事前に適切な準備を行い、貸主の不安を解消する材料を提示することで、契約成功の道は開けます。
貸主が懸念する孤独死や健康面のリスク
60歳以上の方が賃貸物件を借りにくくなる最も大きな理由の一つが、貸主側が抱える孤独死や健康面への不安です。高齢入居者の場合、突然の体調悪化や万が一の事態が発生するリスクが若年層と比べて高まるため、物件オーナーは慎重にならざるを得ません。
特に一人暮らしの高齢者の場合、室内で孤独死が発生すると、発見が遅れて物件価値の低下や原状回復費用の負担が生じる可能性があります。このような事態を避けたいという貸主の心理が、高齢者への入居審査を厳しくする要因となっています。
孤独死が発生した場合、次の入居者募集が困難になり、家賃収入が長期間途絶えるリスクがあります。また、特殊清掃や大規模なリフォームが必要になると、数十万円から数百万円の費用負担が発生することもあります。
また、持病や通院の必要性がある場合、緊急時の対応体制が整っているかという点も貸主の判断材料になります。定期的な見守りサービスの利用や、緊急連絡先として家族の協力が得られるかどうかが、審査通過の鍵となるケースも少なくありません。
こうした貸主側の不安を軽減するためには、健康診断書の提出や定期的な安否確認サービスへの加入など、具体的な対策を示すことが効果的です。事前に準備を整えることで、60歳以上でも賃貸契約の可能性を高めることができます。
年金収入のみの場合に生じる審査の壁
60歳以降の賃貸契約で最も大きな障壁となるのが、年金収入のみという収入状況です。多くの貸主や保証会社は、家賃の3倍以上の月収を入居審査の基準としています。
年金受給額は現役時代の収入と比べて大幅に減少するため、この基準を満たすことが難しくなります。例えば家賃7万円の物件を借りる場合、月収21万円以上が求められますが、国民年金のみの受給者では月額約6万5千円程度となり、基準を大きく下回ってしまいます。
厚生年金を受給している場合でも、平均受給額は月額14万円程度です。都市部で一般的な家賃相場を考えると、年金収入だけでは審査基準を満たせないケースが多く発生します。
貸主側は年金収入を「不安定な収入」とみなすことがあります。特に国民年金のみの場合、審査通過が極めて困難になる傾向があります。事前に預貯金残高証明書などの補完資料を準備しておくことが重要です。
さらに問題となるのが、年金以外の収入証明が難しい点です。現役時代のように給与明細や源泉徴収票で安定収入を示すことができず、年金受給額を証明する年金振込通知書だけでは、貸主の不安を解消できないケースが増えています。
保証人確保の難しさと審査への影響
60歳以上の方が賃貸物件を借りる際、保証人の確保が大きな壁となるケースが少なくありません。従来の賃貸契約では、親族や知人に保証人を依頼するのが一般的でしたが、高齢になるほど保証人候補となる方も高齢化し、保証人自身の収入や年齢が審査基準を満たさないという問題が生じます。
特に60代以降では、両親はすでに他界しているケースが多く、兄弟姉妹も定年退職している可能性が高いため、安定した収入を持つ保証人を見つけることが困難になります。また、子供に保証人を依頼する場合でも、子供自身が住宅ローンを抱えていたり、家族の生活費負担が大きかったりすると、貸主側が保証能力に疑問を持つこともあります。
保証人が見つからない場合は、家賃債務保証会社の利用やUR賃貸住宅など保証人不要の物件を検討することで、審査のハードルを下げることができます。
保証人が確保できない状況は、審査において致命的な影響を与えます。貸主にとって保証人は、入居者が家賃を滞納した際の最後の砦であり、保証人なしでの契約は貸主側のリスクが大幅に増加するためです。そのため、保証人を立てられない高齢者は、物件の選択肢が大きく制限されてしまいます。
近年では家賃債務保証会社の利用が一般化しており、保証人の代わりに保証会社を利用できる物件も増えています。ただし、保証会社の審査でも年齢や収入状況が考慮されるため、60歳以上の方は事前に複数の保証会社の条件を確認しておくことが重要です。
60代以降でも賃貸を借りる方法

60代以降の賃貸契約では、事前準備と適切な対策が成功の鍵となります。貸主の不安を解消し、審査を通過するためには収入証明や健康状態の提示、保証体制の整備が重要です。ここでは、高齢者が賃貸契約を成功させるための具体的な方法を解説します。
安定した収入と健康状態を証明する書類の準備
60代以降の賃貸契約では、貸主の不安を解消するために収入と健康状態を客観的に証明できる書類を事前に準備することが重要です。適切な書類を揃えることで、審査通過の可能性を大きく高めることができます。
年金受給者の場合は、年金振込通知書や年金証書のコピーを用意しましょう。直近3ヶ月分の年金受給額が確認できる書類があると、安定した収入の証明として有効です。
年金収入だけでは不安な場合、銀行の預貯金残高証明書を提出することで支払い能力を示せます。家賃の2年分程度の残高があると審査で有利になります。
直近1年以内の健康診断書があれば、健康面での不安を軽減できます。かかりつけ医からの診断書も有効な証明書類となります。
運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書に加え、家族や親族の緊急連絡先を明記した書類を準備しておくと、貸主の安心感につながります。
書類は最新のものを用意し、コピーではなく原本を持参することで信頼性が高まります。複数の証明書類を組み合わせることで、より説得力のある申請が可能になります。
家族や親族に協力を依頼するポイント
60代以降の賃貸契約では、家族や親族の協力が審査通過の大きな鍵となります。貸主側の不安を軽減するためにも、適切な形で家族のサポートを得ることが重要です。
連帯保証人として家族に協力を依頼する際は、安定した収入のある親族が最も望ましいとされています。特に子供が正社員として働いている場合、連帯保証人になってもらうことで審査が通りやすくなります。
また、子供が契約者となり親が入居者となる形式も有効な方法です。この場合、契約者である子供の収入で審査が行われるため、年金収入のみの高齢者でも入居が可能になります。
事前に家族と十分に話し合い、契約内容や責任範囲を明確にしておくことが大切です。特に連帯保証人の場合、万が一の際の責任について理解を得ておく必要があります。
家族が遠方に住んでいる場合でも、電話やオンラインでの面談に対応してもらえるよう調整しておきましょう。不動産会社によっては、保証人の本人確認や収入証明の提出を求められることがあります。
緊急連絡先として家族の情報を提供することも、貸主の安心材料となります。定期的に連絡を取り合える関係性があることを示すことで、孤独死などのリスクへの懸念を和らげることができます。
家賃債務保証サービスの活用方法
60代以降の賃貸契約では、保証人を立てることが難しいケースが多く見られます。そこで有効なのが家賃債務保証サービスの活用です。このサービスを利用すれば、保証人なしでも賃貸契約が可能になります。
家賃債務保証サービスとは、入居者が家賃を滞納した場合に保証会社が代わりに支払いを行う仕組みです。貸主にとっては家賃滞納のリスクが軽減されるため、高齢者でも審査に通りやすくなるという大きなメリットがあります。
初回保証料は家賃の50〜100%程度、更新料は年間1万円前後が一般的です。保証会社によって料金体系が異なるため、複数社を比較検討することをおすすめします。
保証会社を選ぶ際は、高齢者の審査実績が豊富な会社を選ぶことが重要です。年金収入のみでも審査対象としている保証会社や、医療費控除などの支出を考慮してくれる会社もあります。
不動産会社に相談する際は、保証会社の利用を前提とした物件探しを依頼すると、スムーズに契約できる物件が見つかりやすくなります。最近では保証会社の利用を必須条件としている物件も増えており、高齢者にとって賃貸契約のハードルが下がっています。
60歳以上の方が子供を契約者として賃貸を借りる方法

60歳以上の方が賃貸物件を借りる際、子供が契約者となり親が入居者となる方法があります。この契約形態は、高齢を理由に審査が通りにくい場合の有効な選択肢として注目されています。
子供が契約者となる賃貸契約では、収入が安定している子供の名義で契約を結び、実際には親が入居する形態をとります。貸主側も現役世代の収入を審査できるため、契約が成立しやすくなります。
親が入居者となる契約形態の仕組み
子供が契約者となり、親が実際の入居者として賃貸物件を借りる方法は、60歳以上の高齢者が賃貸契約を結ぶ際の有効な選択肢です。この契約形態では、安定した収入のある子供が契約者として審査を受けるため、年金収入のみの親でも入居が可能になります。
契約者は子供、入居者は親という形で契約を結びます。家賃の支払い義務は契約者である子供が負い、親は入居者として物件に住むことができます。
この契約方法では、貸主側の懸念である家賃滞納リスクが軽減されるため、審査が通りやすくなるという大きなメリットがあります。子供が正社員として安定した収入を得ている場合、審査はスムーズに進むことが多いです。
契約時には、子供の収入証明書や在職証明書に加えて、親の身分証明書や住民票が必要になります。また、入居者が親であることを明記した契約書を作成し、貸主と管理会社の了承を得ることが重要です。
ただし、すべての物件でこの契約形態が認められるわけではありません。物件によっては契約者本人の居住を条件としている場合もあるため、事前に不動産会社へ相談し、親が入居者となる契約が可能かどうかを確認する必要があります。
契約時に必要な書類と手続き
子供が契約者となって親が入居する場合、通常の賃貸契約とは異なる書類が必要になります。事前にしっかり準備しておくことで、審査をスムーズに進めることができます。
契約者となる子供は、本人確認書類として運転免許証やマイナンバーカードを準備します。加えて、収入を証明する書類として源泉徴収票や給与明細書の直近3か月分が必要です。会社員の場合は在籍証明書の提出を求められることもあります。
実際に住む親は、本人確認書類に加えて年金受給証明書や預金残高証明書を用意します。健康状態を示す書類として健康診断書の提出を求められる場合もあります。親子関係を証明するため、戸籍謄本や住民票も必要になります。
物件の申し込み時に、契約者と入居者が異なることを明確に伝えます。審査では契約者の収入と入居者の健康状態が重点的にチェックされます。審査通過後、重要事項説明と契約書への署名は契約者本人が行う必要があります。
敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用は契約者名義で支払います。鍵の受け渡しは契約者が行うのが原則ですが、事前に相談すれば入居者である親が受け取れる場合もあります。入居後の家賃支払いも契約者名義の口座から引き落としとなります。
書類は余裕を持って1か月前から準備を始めましょう。戸籍謄本や住民票は発行から3か月以内のものが求められることが多いため、取得時期に注意が必要です。不動産会社によって必要書類が異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
60歳以上の方が賃貸を借りる際によくある質問

60歳以降の賃貸契約について、多くの方が抱える疑問や不安にお答えします。実際の審査基準や入居条件、利用可能な制度について、具体的な情報をもとに解説していきます。
高齢者が賃貸を借りられない年齢は?
賃貸物件を借りにくくなる年齢に法律上の明確な基準はありませんが、一般的には60歳を超えると審査が厳しくなる傾向があります。
特に定年退職を迎える60代前半から、収入が年金のみになることで貸主側の懸念が高まります。実際には65歳以上になると審査通過率が大きく低下し、70代以降ではさらに困難になるケースが増えています。
ただし、これは絶対的な基準ではなく、安定した年金収入や預貯金の証明、家族による保証などの条件次第で契約できる可能性は十分にあります。また、UR賃貸住宅や公営住宅など高齢者でも借りやすい物件も存在するため、年齢だけで諦める必要はありません。
重要なのは、できるだけ早い段階から老後の住まいについて計画を立て、50代のうちに賃貸契約を済ませておくか、高齢者向けの住宅制度を活用する準備をしておくことです。
60歳以上で賃貸に住む割合は?
日本における高齢者の住まいの実態として、60歳以上で賃貸住宅に住む割合は決して少なくありません。総務省の住宅・土地統計調査によると、65歳以上の高齢者世帯のうち約25%が賃貸住宅に居住しているというデータがあります。
特に都市部では賃貸住宅に住む高齢者の割合がさらに高く、東京都や大阪府などの大都市圏では60歳以上の単身世帯の約30〜35%が賃貸住宅を選択しています。これは持ち家を持たない選択をした方や、子供の独立後に住み替えた方、配偶者との死別後に引っ越した方など、さまざまな事情を反映しています。
また年齢が上がるにつれて賃貸住宅に住む割合は変化し、70代では約20%、80代以上では施設入居などの影響もあり約15%程度となる傾向があります。ただし近年では高齢者向け賃貸住宅やUR賃貸住宅の整備が進んでおり、賃貸で暮らす高齢者の選択肢は徐々に広がっています。
賃貸住宅を選ぶ理由として、住み替えの自由度、維持管理の負担軽減、初期費用の抑制などが挙げられます。実際に60歳以降も賃貸で快適に暮らしている方は多く、適切な物件選びと準備があれば年齢を理由に住まいを諦める必要はありません。
UR賃貸の高齢者向けの条件は?
UR賃貸住宅は、高齢者でも比較的借りやすい公的賃貸住宅として知られています。保証人不要で契約できる制度が整っており、60歳以上の方にとって大きなメリットとなっています。
60歳以上の方向けには特別な優遇制度が用意されており、通常の収入基準を満たせない場合でも、以下のいずれかの条件を満たせば入居が可能です。
- 家賃の1年分以上の貯蓄額がある
- 家賃の100倍以上の貯蓄額がある
- 高齢者世帯向け特定目的住宅への入居
また、UR賃貸では礼金・仲介手数料・更新料が一切不要という特徴があり、初期費用を抑えられる点も高齢者にとって大きな魅力です。
UR賃貸では、年金受給者を対象とした家賃減額制度が用意されている物件もあります。具体的な条件や割引率については、各物件や地域によって異なるため、公式サイトで最新情報をご確認ください。
アリバイラビット
高齢者は賃貸住宅を借りられないというのは嘘ですか?
「高齢者は賃貸住宅を借りられない」という話は完全な嘘ではありませんが、誤解を含んでいます。実際には、60歳以上でも賃貸契約は可能であり、多くの高齢者が賃貸住宅で生活しています。
ただし、一般的な民間賃貸物件では審査が厳しくなる傾向があるのは事実です。貸主側が孤独死リスクや家賃滞納の懸念を持つため、年齢を理由に入居を断られるケースも存在します。
しかし、高齢者向けの選択肢は豊富に用意されています。UR賃貸住宅は保証人不要で契約でき、公営住宅も高齢者の入居を積極的に受け入れています。また、シニア歓迎物件や家賃債務保証サービスを活用すれば、民間賃貸でも契約のハードルは大きく下がります。
年金収入のみでも、安定した収入証明と健康状態の提示により審査を通過できる事例は多数あります。子供が契約者となり親が入居者となる方法も有効です。
重要なのは事前準備と適切な物件選びです。定年前に契約を済ませる、家族の協力を得る、高齢者向け物件を中心に探すなど、戦略的なアプローチで賃貸契約は十分に可能です。
まとめ:60歳以降も安心して賃貸で暮らすために
60歳以降の賃貸契約は確かに審査が厳しくなる傾向がありますが、適切な準備と対策を行えば十分に契約可能です。年金収入の証明書類や健康状態を示す書類を事前に準備し、家賃債務保証サービスを活用することで、審査通過の可能性は大きく高まります。
50代のうちから将来を見据えた物件選びを始めることが、老後の住まいの安心につながります。定年前に賃貸契約を済ませておけば、収入面での審査がスムーズに進みます。また、UR賃貸住宅や公営住宅など、高齢者に配慮した住宅制度を積極的に活用することも有効な選択肢です。
家族や親族の協力を得て、子供が契約者となる方法も検討する価値があります。シニア歓迎物件やバリアフリー設備が整った物件を選ぶことで、長期的に安心して暮らせる住環境を確保できます。
賃貸契約が難しい場合は、サービス付き高齢者向け住宅など、賃貸以外の住まいの選択肢も視野に入れましょう。重要なのは、早めの準備と複数の選択肢を持つことです。老後の住まいに関する不安を解消し、安心して賃貸生活を続けるために、今から計画的に行動を始めることをおすすめします。